行政書士は、一般市民や経営者などが役所や警察署などの行政機関に提出する書類のうち、専門知識がないと作りにくい書類の作成や、その届け出を行う仕事をします。扱う書類は3,000種類にもなります。

　多くの行政書士が独立して自分の事務所を持ち、依頼人からの依頼によって仕事を行います。行政書士の収入は依頼人の支払う業務報酬ですが、書類の種類や数量ごとに報酬額は細かく決められています。

　行政書士が作る書類の多くは、中小企業の経営者が仕事を進めていく上で必要な各種の申請書類です。

　例えば、飲食店を経営するために関係官庁に提出する書類の場合、まず店舗にする予定の場所に行き、店内の状態を見たり、テーブルやイスの配置を計測したりして、それをもとに正確な図面を作り許可申請書を作ります。

　書類の種類によっては何十枚にもなることがあります。限られた期限内の書類作成を提出することも多く、時間との競走になることもしばしばです。また、国際化に伴い、外国人の在留許可や永住許可、帰化申請に関わる仕事も増えています。

　許認可申請の他にも、遺産相続に必要な書類の作成や、裁判を起こす人のための告訴状、あるいは各種の契約書などについても依頼に応じます。また、特定の税務書類の作成も行うなど、行政書士の業務は広範囲にわたり、また、法律や制度の変更にともない書類の書式も変更になることが多いので、日頃から行政機関などからの情報に絶えず気を配り、常に新しい知識を得ることが大切です。