適正な予算運営や最小限の費用での最大限の利益追求など、企業や団体の経営課題を達成するために、お金やモノの流れを管理し、業務の流れや状態を数値で正確に把握することによって、組織の健全な運営を支えていくのが、経理事務員の仕事です。

　一般に企業の経理部門では、製造部門や営業部門などの各セクションのお金の流れを伝票を使って把握しています。経理部員は、交通費や仕入れなどの項目別に伝票を分類し、コンピュータにデータ入力していきます。そして、打ちこんだデータを月ごとに集計し、経営のバランスや効率を見る資料を作ります。特に、企業は年単位で決算期を設定しています。この頃になると経理事務員は、各種の決算報告書を作成する作業に追われます。1つ１つの数字のチェックに全神経を張り巡らし、正確な仕事を積み重ねることによって、企業の効率的な運営を支えていきます。

　商店や問屋では決算期に、棚卸し作業を行います。この際に商品在庫数量を正確に把握することは、商店や問屋の経理事務員の大切な仕事です。また、商品の仕入れに伴う伝票の処理や、商品番号の設定なども行い、お金の流れと同様に商品の流れも正確に管理していきます。

　集金や支払い業務も、経理事務員の大切な仕事です。特に、小切手や手形の取扱いには法律の知識も必要になるため、業務に精通した経理事務員が担当しています。