乗客や積荷を、安全・スムーズに運ぶとともに、船と乗組員の安全を確保するのが、船舶運航管理事務員の仕事です。船舶運航管理事務員は、多くの場合、海運会社や、船舶の運航業務を代行する代理店などで働きます。

　運航管理事務員は、船のタイプや、積荷の種類に合わせ、船が立ち寄る港や航路を指示する運航計画を立て、「航海指示書」として、船や港へ電子メールで伝えます。船の運航スケジュールは、天候に大きく影響されるため、毎日、航路の天候や海の状況をチェックします。

　船から送られてくるレポートで、運航や作業の状況をつかみ、入港・出港の時間などについて、最も効率的な計画を立て、船に指示を出します。

　船舶運航管理事務員は、担当する船に出向く場合もあります。船長との打合わせや、積荷のチェックなど、直接現場に接することは、運航管理をするための貴重な参考になります。

　自動車を輸送する専用船の場合は、効率的な積み降ろしが、積荷の安全と、輸送コストの軽減につながるため、デッキの面積から積める台数を判断し、目的の港の水深なども考えて、最適な「積み付け」プランを作ります。

　数多くの船と、世界各地の港を、効率的に結ぶ「配船計画」を立てるのも、運航管理事務員の仕事です。航路情報・各港の積荷の状況を分析し、どの船に、何を積んで、いつどこに向かわせるか、配船計画を立てます。