結婚式場や美容室などで、着物を美しく着せ、着物を着たときの作法を指導するのが、着物着付師の仕事です。

　多くの場合、着付師は、花嫁衣裳などの着付けを行うため、結婚式場やホテルの美容室などで働きます。

　着付師は、事前に花嫁と打合せを行い、衣装の色や当日の進行予定、花嫁の希望などを確認します。花嫁の衣装に合わせて、身に付ける小物やかつらなどを一緒に選ぶなど、挙式当日までに準備を整えます。

　当日は、着付師が２人１組となって、常に花嫁の緊張をときほぐしながら、着付けを行います。美しく着付けるために、綿などで補正しながら衣装を着せ、ひもが窮屈でないかどうか、襟合わせのバランスはどうか、などに注意を払い、着付けを仕上げます。着物を着たときの作法をアドバイスするのも、着付師の重要な役割です。

　洋風の髪型に合わせるなどの要望に応じて、アレンジした着付けをする場合もあるため、色々な形に帯を結ぶ技術や、新しい着付け方法の知識も求められます。親族や列席者の着付けを行う場合は、短時間に多くの人数を着付ける必要があるため、豊富な経験を持った着付師が担当するのが一般的です。

　着物着付師は、優れた着付けの技術、着物そのものやヘアスタイル、メーク、そして着物を着たときの作法など、着物に関する総合的な知識を身につけて、活動します。