日本が世界一の長寿国になった陰には保健師たちの活躍があります。また、戦後の復興期、国民病と言われるほど患者が多かった結核が著しく減ったのも、保健師（当時の名称は保健婦）が衛生や栄養の知識を広めたことが役立ちました。保健師は保健所や自治体の保健課、民間企業の厚生施設や訪問看護ステーションなどで様々な仕事をします。

　保健師は社会環境の変化とともに時代にあった保健指導にあたっています。たとえば、寝たきりのお年寄りなどを訪れて血圧測定などの健康チェックを行い、快適な看護を受けているか生活状況を把握します。また、保健所で住民から寄せられる様々な相談に応えることもあります。

　保健師は、日頃から担当する地域の健康問題をつかんで対策を用意しておくことが必要です。医師と協力して、乳児健診をはじめとする母と子の心身の健康を守るサポートもします。時には、障害者の社会復帰を助ける共同作業所などに訪れ、働いている障害者とスタッフの健康状態を定期的にチェックしたり相談にのったりします。

　保健所では、住民と健康について学びあう様々な勉強会を計画して実施したり、子育てを応援するための講習会を開いたりしたります。高齢社会への対応としては、患者が安心して在宅療養できるように、保健師は、医療、福祉といった各方面との調整役となることが求められています。