内科医には、大きな病院で働く「勤務医」と、自分で診療所を営む「開業医」などがあります。

　開業医には地域住民を大切にする診療が求められます。高岡邦子さんは、ストレスの多い現代社会から生まれる様々な症状の治療に力を入れています。お年寄りの患者には、注射や対症療法を行なうだけでなく、コミュニケーションをはかり、心身両面から症状を和らげます。

　住宅地で開業する野津原崇さんは、午前中は、外来患者の診察を行ないます。近くの保育園や小学校の校医も引き受け、子供たちの成長を見守ります。地域の人々との長い付き合いが「開業医」の特徴です。午後は在宅患者の訪問診療をします。週に1度は、医療提携をしている大きな病院で働き、病院に紹介した患者のアフターケアを、病院医と共に行ないます。

　知久正明さんは、大学病院で働く勤務医です。大きな病院では、専門が細かく分かれていて、知久さんの専門は、「心臓カテーテル（血管造影）検査」です。心臓の血管異常を、外側から検査する最新の技術です。この検査で得られた資料をもとに、担当教授を中心として医療方法を打ち合わせます。

　内科医は、日々進歩する医療技術を学び、患者への最善最良の治療を目指します。