全国各地の河川では、洪水を防ぐため、また水道や農業・工業用の水を確保するためなどに、河川工事や砂防工事を行います。こうした工事全般にわたって工事の調査・設計、施工の指導や監督をするのが、河川技術者です。河川技術者は、国や地方自治体、建設コンサルタント会社、建設会社などで働いています。

　河川工事は、多くの場合、公共事業として行われます。実際の工事は、民間の企業がします。

　国や地方自治体で働く河川技術者は、まず、工事を発注するため、工事内容の調査から設計の検討をします。そして、発注後は、工事担当者との打合せから、技術的な施工管理に至るまでの工事全体を管理します。

　調査や設計の発注を専門に行う建設コンサルタント会社で働く河川技術者は、調査委託を受けて、様々な調査や実験を行い、最も効果的な計画や設計を立案します。地形や水量などの状態を調べ、工事模型を作り、実際に水や砂などを流して、様々な実験を行います。集めたデータを基に、最終的な設計や施工方法を決定します。

　工事を担当する建設会社で働く河川技術者は、工事が安全かつ計画どおり進むように、作業員を指示します。河川工事は、天候や地下水などの自然の影響を受けやすいため、また、川の水量が増える時期は工事ができないため、技術者は、工事スケジュールの調整もします。